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お知らせ

塩害に関する情報を纏めました。

東日本大震災の津波による塩害対策につきまして

このたびの大震災で発生した津波により、多くの田畑が海水による浸水を受けました。
当社宮城県石巻工場も津波の被害を受け、工場内の機器・製品が海水やヘドロで損傷・汚染されました。
生き物を育てる田畑が受けた被害は、当社が受けた被害の何十、何百倍であり、当社におきましても農家の方々のお役に少しでも立てれますよう、塩害対策情報のまとめを記載させていただきます。

塩害の影響
1. 作物の根が水を吸いにくくなります。
  植物は浸透圧を利用して水を根から吸収しますが、根の周りの塩分濃度が濃くなると、根の外側向きの浸透圧が高まり吸水できにくくなります。
水分は葉から蒸散しますので、しおれの症状が出てきます。
2. カリウムやカルシウムの吸収阻害

ナトリウム・塩素イオンが多く吸収されると、カリウムやカルシウムが吸収されにくくなります。
3. 根腐れ

過剰なナトリウムイオンは土壌の物理性を悪くし、排水不良・土壌の還元化による根腐れが発生します。
4. 栄養不足
  過剰な塩分により土壌の有用微生物が繁殖しにくくなり、有機物の分解・窒素の無機化が抑制され、栄養不足を起こします。
除塩対策
1. 津波によってもたらされた土砂やヘドロを、可能な限り除去されることが望ましいです。
ヘドロには硫化物が含まれており、根腐れなどの原因になります。
2. 海水に含まれるNaClが塩害要因になります。
土壌の電気伝導度(EC値)を測定することで除塩が必要かどうかの目安となります。
EC値:0.3~0.6ms/cm以上であれば除塩が必要です。
3. ナトリウムを除きやすくするため石灰資材を投入し、土壌に吸着されたナトリウムをカルシウムで追い出します。
資材は消石灰・炭酸カルシウム・石膏などが用いられます。
施用量は10アール当たり100kgが目安です。
4. 水を張り、代かきし、静置後に排水します。
できれば排水しやすいように暗渠などを施工して行ってください。
5. EC値が十分下がるまで湛水・排水による除塩を繰り返します。
土壌は表層だけでなく、下層の土壌も採取し分析した方がよいようです。
6. 土壌の物理性・科学性の改善のためケイ酸資材を投入してください。

実際の対策は各県の技術指導員にお尋ねください。
農村工学研究所「津波による浸水を受けた低平地水田の除塩対策」
宮城県農産園芸環境課「東日本大震災に伴う農業関連情報」
農林水産省・農村振興局「農地の塩害と除塩」  ※PDFファイル(585KB)

参考資料
東日本大震災による被害面積
塩害のメカニズム
(農林水産省・農村振興局「農地の塩害と除塩」より抜粋)


除塩の仕組み
(農林水産省・農村振興局「農地の塩害と除塩」より抜粋)
水稲 塩害のチェック方法と対策
(JA全農)

ECメーター測定

 土壌:水=1:5で、測定値が0.3~0.6で作付けできる。  ※0.6以上であれば除塩する。


除塩の方法 (かけ流し方式)

1. 耕起

2. 湛水作業


・水深10cm相当となるように水を張る。


・圃場を丁寧に起こす。


※塩分濃度が高い場合は、消石灰、炭酸カルシウムを100kg/10a散布し、代かき後に排水する。

3. 代かき作業  ・・・ 丁寧に行う。

4. 静置

5. 排水


作土から水が無くなるまで排水を行う。

6. ECメーター測定で数値を確認する。


測定値が0.6以上であれば、再度2から繰り返す。


※EC値が測定出来ない場合は、2~5を4回以上繰り返す。



その他の作物の耐塩性
(高橋英一著「生命にとって塩とはなにか」農山漁村文化協会 より抜粋)
圃場条件における各種作物の耐塩性
(「佐賀県 塩害対策野菜ホームページ」より)
畑の塩害対策
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に伴う農作物被害の技術指導について。 (第2報-1)
 - 塩害等の対策 - 平成23年3月14日 農林水産部担い手支援課

1. 海水の早期排水

海水が溜まっている状態では、塩害と同時に酸素不足による過湿害が問題となるので、溝切り又はポンプ排水で早急に排水を行う。

尚、水が流れていれば湿害も起こりにくいので、排水対策を行うのが難しい場合には、水田の場合に準じてかけ流し除塩等を行う。
2. 排水後の真水灌水による除塩

20mm程度の真水灌水を2~3回行う。 
3. ECメーターで洗い流しの効果確認

作土(1:5)のEC値は1mS/cm未満が望ましい。  
4. その他、作物がない時期の対策  

作土(1:5)のEC値が1ms/cm以上と高い場合には、 土壌に吸着されたナトリウムをカルシウムで置換・排出させるため、石灰資材を100kg/10a程度施用し、 耕耘後に真水の湛水又はかけ流しを行い、作土のEC値を1mS/cm未満に下げる。